50代以降のキャリアを考える上で大切な5つの問い
雇用の有事は対岸の火事ではない
「見聞広め型転職」キャリアのひとつである某業界では、2021年に50代、2022年は40代を対象としたリストラが動いています。元同僚によれば在籍する会社で同様の動きはないにせよ、いつそんな状況になるかもしれないと戦々恐々とのこと。別の会社に出入りしている当時の取引先の方から聞いた話も、久しぶりに連絡をすると退職した人が想像以上に多いことに驚くとのことでした。
「企業は安泰」
「雇用は自動継続」
という前提に立つと、これらの有事にどう対応していいのかの戸惑いや不安、場合によっては恐怖を感じることもありそうです。
「企業も生き物。企業の平均寿命が20-30年(※)と思えば自分の方が長生きするから先の心配はしておかないと」
「企業が目指すものと自分の目指すもの、求められることと応えられることに差異が出たら考え時」
と思っていれば、そうはバタバタしないはずです。
「愛着ある会社で勤め上げることしか考えていなかった」
「情報が伝わらず(キャッチできておらず)で知った突然の事業縮小、倒産」
という場合の本人のショックは相当だと推察にあまりあります。
(※)2021年に倒産した企業の平均寿命は23.8年(前年23.3年)で、3年ぶりに前年を上回り、産業別では最長が製造業の36.3年(前年33.4年)、最短は金融・保険業(同22.0年)と情報通信業(同14.9年)の15.7年、その差は20.6年。全倒産に占める構成比は業歴30年以上の“老舗”企業が33.8%(前年32.5%)と、前年から1.3ポイント上昇。同10年未満の“新興”企業は26.5%(同27.4%)で前年より0.9ポイントダウンし、差は7.3ポイント(同5.1ポイント)に拡大。
東京商工リサーチhttps://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220225_01.html
VUCAとも言われて久しい昨今、在職する会社との雇用関係に不安や不満がなくても、多岐に渡る変化の速さに戸惑いながらカタチのない将来への不安が膨らんでいくというミドルシニアの声を耳にすることが増えています。年代、性別を問わず、在職する企業は中堅以上、ご自身は四半世紀以上いまの会社に在職しているという傾向が見られます。
50歳が見えた、通過した頃の「人生の後半戦」を迎えて、この先の自分自身の展望が見えない、だからといってそんな話をする相手はいない、どうしたらいいのかも分からない…言っている間に時間だけが経過しているなんてことはありませんか。
人生の後半戦。あなたの抱える不安は?
まずは不安の中身を点検してみましょう。
✓ 入社以来、部署移動がなく「この仕事しかできない」。今クビになったら何をしたらいいのかわからない
✓ 今の職場では自分を活かせていないが「やりたいこともない」
✓ 転職する同僚を見ながら「今さら転職」なんて怖い
✓ 上長の後方支援仕事で重宝されてきているが履歴書に書けるような「実績がない」
✓ 給与が下がり始め先を考えると「金銭的な不安」が頭から離れない
✓ 70歳くらいまでは働きたいが、「何をしたらいいか」わからない
✓ 「副業」に興味はあるが、周囲でやっている人もおらず様子がわからない
過去に聞いた話を思い出して列挙してみましたが、当てはまるものはありますか。
エンジンがかからないクルマを走らせるのに原因を解明しないと解決しないように、モヤモヤの中身が限定されなければ対処のしようはありません。
「こういうことを解決したくてモヤモヤしていたんだなぁ」ということに辿り着ければ一歩前進です。
「行動」するために考えたい5つの問い
さて、その先どうするか。「どうしたらいいだろう」でクルマは動きません。考えているだけも同様です。情報を集め、仮説を立てて行動開始が肝要です。
ここでは50歳以降のキャリアの展望を描くことを目的に、行動のためのヒントを列挙してみます。
1.どんな生き方(暮らし)をしたいのか
「人並み」や「標準的」な生活はモデルでしかなく自分の生活ではありません。
どこ(地域)で、どんな家(スペース)に住み、何に囲まれて、どんな暮らしをしたいですか。
2.自分にとって大事なことは何なのか
大切にしたい価値観やスタイル、人やモノは何ですか。スッと出てこないとしたら、これは嫌、いらないものはなんですか。
何かを参考にするとか誰かのようにではなく自分の心の奥底の思いを掘り出してみてください。
3.どんな仕事(働き)をしたいのか
働くことは生きること。なにもお金を稼ぐことだけが働くことではありません。
「人や社会に役立つ働きをとおして社会に参画する」と置いたときに、どんなことをしていたいですか。
4.上記1.~3.の状態を得るために必要なことは何か
人間関係、仕事、繋がり、学び…何を変えて何は今のままでいいと考えますか。
それを実現するために必要なこと、制約は何ですか。
問いに対しては考えを整理するために書き出したり、人に話を聞いてもらうことをお勧めします。気を取られかねないのでアドバイスを受けることは不要です。空に描く思いは空を舞います。流れる雲のように流れて考えの起点や変遷を見失いかねません。言語化したことを文字にし、見直すことで考えのアップデートに繋げましょう。
ここで最後の問いを追加します。
5.生きているうちにしたいこと、もうこれ以上したくないことは何か
これは自分の本心を改めて問うものです。「人生の後半戦は自分の手で」です。
この人生のゴールをイメージしたときに、やっておきたいこと、もういいやと離れたいことを整理して、前者に向かってほしいと思います。今世での時間をより充実と納得感のあるものにしたい私は、そうありたいと思っています。
ユニキャリアはこれらの戸惑いや不安に向き合うためのコミュニティやワークショップを運営しています。
よかったら一度、覗いてみてください。
【未来航路塾】ミドルシニアが未来を再発見できるコミュニティ
【未来型プロフィール】あなたを伝えるショートストーリー
【未来航路相談】視点切り替えのマジック
さいごに……ちょうど記事を書いている時に、今日の内容にピッタリの動画を見つけました。
50代の皆さんからすると少しばかり先輩になりますが…60代、自分の時間を謳歌されていますね。
考え方など、参考になると思いますので、よろしければぜひ。
▼
この記事へのコメントはありません。