BLOG

スタートラインに立つ
あなたへ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. ミドルシニア
  4. 褒め言葉には「受け取り上手」の方がうまくいく

褒め言葉には「受け取り上手」の方がうまくいく

褒められたときにやりがちな失敗

前回のメルマガ(vol.014 2021.11.17発行 テーマ:厚かましいのもスキルのうち!?)で、残念ながら我らミドルシニアは、外部からエールを受ける環境が少なく、「褒められない」と書きました。数少なくなってきている気がする貴重な機会の「褒められたとき」にやりがちなことと、気をつけたいことについてお伝えします。

「いや、とんでもないです」

「そんなことないです」

仕事ぶりを褒められたときや、身に着けているものをステキだと言われたとき。いわゆる”褒め”られたときにこんな言葉を返していませんか。まさかそれに加えて「いえいえ、たまたまなんですよ」「これ、そこらのお店で買った3,000円くらいのものなんですよ」と、もはや謙遜しているのか、その素敵だと評価してくれているものを安く買ったのだと自慢しているかわからないような返しになっていることはありませんか。

控えめな態度で振る舞うという意味を持つ「謙遜」「謙譲」という言葉があります。自分がへりくだることで相手を高めるという使いかた。ビジネスマナーの基本である言葉遣いや座席位置の決め方などは、人間関係における相手との距離を測り、上下をセットしてそのように振舞うということで、相手を立てるという謙譲の精神に他なりません。

ビジネスマナー講師をしていたこともありますが、”褒め”に対して”打消し”をすることが謙遜を表するとは、マナーで教えたことはありませんし、実際に見聞きしたこともありません。しかし、あたかも使うことがよいマナーのように、公私問わず(自戒を込めて言いますが)よく見受けられるやりとりです。

本音はどうでしょう。

人は”褒め”られることに対して、こんな感情を持つといいます。

・嬉しい
・恥ずかしい
・対応に困る
・お世辞だと思う(本当はそう思っていないのではないか)
・裏があるように思う(何か他の目的があるのではないか)

大半は嬉しいと感じながらも、これらが複合的に組み合わさって感じているようです。

嬉しい気持ちがあるのなら、「受け取り上手になろう」ではありませんか。メルマガで「厚かましいのもスキルのうち!」と言っていますが、ここでもそれを適用します笑。

こう考えるようになったきっかけは、ある人の言葉でした。

「その人がそう感じた、といってくれていることに対して、「いや(NO!)、とんでもない(NO!)、そんなことありません(NO!)」ということの方が失礼ではないでしょうか。その方の発した言葉、その気持ちは宙を舞い、行き場所を失って地面に落ちてしまうようなものです」

確かに”褒め”は言葉のプレゼントです。いただいたプレゼントを、違和感があるからといって、いただくのを「拒否する(NO!)、受け取らない(NO!)、返品する(NO!)」ようなものです。これはさすがにしませんよね。モノとは違って見えないわけですが、していることは同様です。

ここは「ありがとう!」とスルッと受け取ってみませんか。

「あんな仕事ができる人は他にはいないね」→「ありがとう」

「カッコいい!」→「ありがとう」

「いや」「でも」の後に続く言葉はつけないで、シンプルに。

仕事ができる、カッコいいと自惚れているように思われたくない気持ちが、アタマを擡げる人もあるでしょう。でも、それはあなたの気持ち。ここはあなたの得意な”相手を立てる”スタンスで、相手の言葉をそのまま両手で受け取りましょう。決して地面に落とさず、相手への礼儀と心得て。

そんなスルッとは受け取れない恥ずかしいなどの違和感、相手の”褒め”レベルにまで達していないという謙遜の気持ち、お世辞や裏があるのかもしれないという疑念は横に置いてください。否定するかのように謙遜しているうちに、自分の脳がそれを事実として情報処理するのを防ぐためです。

「いえ、自分はプロジェクトのなかで足を引っ張ってばかりで、○○さんが優秀でできたんです」(事実かもしれないが、自分のことも評価してくれているのだと思ってお礼を言おう)

「いや、カッコよくなんてないですよ(毎日見る自分は、いやなところが目につくばかりかもしれないが、相手からはよく見えるのだと思ってお礼を言おう)

“褒め”とは少し違いますが、過去に「なんでもできそうですね」とお会いする人たちから異口同音に言われたときがありました。転職活動時期で、自信喪失、モチベーションも低いところをウロウロしている時です。

「いえ、私なんて何にもできないんです」と繰り返し、繰り返し言い続けていました。2~300回は言ったのではないでしょうか。あるとき本当に「何にもできないんだ、自分」としみじみ悲しくなってきました。脳がアラートを出したのかもしれません。

ある時から、こう言い換えるようになりました。「何でもできるように見せるのが特技」と。

自分としては何でもできるとは思えていない、でもそれを否定するのも違う、それならできるように見せている(見えている)、それを特技と言い切ろう、なんならそれが自慢と言ってしまおうと切り替えたのです。

「何でもできるように見せてるのが特技」は、相手をクスッとさせるのには有効ですが、当然、何でもできるようにはしてくれません。でも、相手の言葉はちゃんと受け取っています。両手で受け取って、自分で納得できるポジティブなコメントをつける。これならできるのでは?

“褒め”られたら、率直に喜び、言葉にし

脳への喜び、活力に。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事