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出会いをおつきあいに繋ぐ、自己紹介のススメ(後編)

前回の【出会いをおつきあいに繋ぐ、自己紹介のススメ(前編)】では、自己紹介は「目的」にふさわしい内容や表現によってその効果を持つこと、自己紹介は自己PRではなく、その後に続くお付き合いへの「対話のきっかけ」にしたいという話をしました。

今回は初対話のきっかけをとおして本来の目的である「おつきあい」を深めていくためにユニキャリアが考える自己紹介メソッドの一部をご紹介していきます。

そつなく感じのいい自己紹介ではダメ

過去にマナー研修の講師をしていました。信頼される人になるための立ち振る舞い、言葉遣いなどをお伝えしてきましたが、今だから言います。ごめんなさい!それではダメです。厳密にはそれだけではダメです。

相手に不信感を抱かせたり無礼があるというのは問題外ですが、ただただマナーよく感じがいいのは気持ちの良いそよ風のように瞬間的な存在感をあらわした後に記憶からスーッと消えてしまう可能性が高め。目的がその場だけの形式的なご挨拶だったり以降ちょっとこの人とは関わりたくないなぁという時には”いい手”ですが、その後の「おつきあい」を意図している時にはダメです。全く。

当時の研修でも伝えていたことですが、マナーはコミュニケーションにおける最低限の土台スキル。相手に不快感を与えない無難な効果はあっても数多く出会う人の中で「私」を記憶にとどめ、また会いたい、話をしたいと思ってもらうには不十分なのです。

ユニキャリアで大切と考える自己紹介の3つの要素

その後に続くお付き合いへの「対話のきっかけ」になる自己紹介には3つの要素があると考えます。それは、共感、違和感、未来感です。

一つずつ説明していきましょう。

対話のきっかけになる自己紹介の要素1〜共感

まずは共感。

相手を認識した瞬間に人は相手が自分を傷つけないか、敵か味方かを本能的に察知します。敵ではないと知ると分かり合える人かどうかを認識するために相手との共感ポイント、言い換えれば共通点を探していきます。

「私も名古屋出身です」「私も長女です」「私もエンジニアです」といった属性から

「私もカレーが好きです」「私もあの映画は苦手です」のような好き嫌いが重なると急激に相手との心理的距離が近くなるものです。

さらに「私も希望の大学に行けずに浪人しました」「私も親の転勤でコロンビアに住んだことがあります」などの共通経験が判明すると、旧知の友のように話は止まることなく盛り上がっていく……なんて経験はありませんか。

共通点があるというのは「おつきあい」はじめの最強です。互いに分かり合える話題を掘り下げていくたびに心理的距離がさらに縮まり、話題にできる範囲を手探りしながらスルスルと広げていけるからです。

対話のきっかけになる自己紹介の要素2〜違和感

次に違和感です。

これは先の共感とは逆のことです。人とは不思議なもので「同じ」が心地いい反面、自分の標準を超えたスキルや経験、趣味などの話に関心を持ちます。

自分との違いという意味での「相違点」「異質点」とも言い換えられますが、受け入れられる違いに個人差が大きいため注意が必要です。「ん?」という軽微なものから「えーーーっ!」という驚きの反応までを違和感としていますが大事なことは「相手にとっての」違和感であること。

勉強などでもそうですが、わかっていることばかりやるのはつまらないですね。でも何が書いてあるか全く理解できないようなものに興味を持ち続けることも難しい。なるほど、なるほどと理解が続いたところに、えっ?という解るような解らないような絶妙な違和感に当たると「頑張ればできるかも」というモチベーションを駆り立てられると思いませんか。

もちろん「解ることには相当に遠そうなこと」にアタマを突っ込んで自分で調べる、聞いて回る、結果わかって楽しい!という場合もあります。分かった喜びは相当ですが、その分野が得意かどうか、興味が強いかどうかなどにも左右される少し上級者向きのように思います。

違和感のツボを探していくうちに「自分」が見えてくるかも

初対面の相手が自分の思惑どおりに違和感を持つかどうかはわかりません。やりとりしながら相手の興味、違和感のツボに当たりをつけて幾つか発信し続けていくのが王道です。

少しの違和感は自分にない相手の特異、ユニークなネタや特性だったりします。つまり、ここを理解し合うことは、相手だけでなく自分自身を知る面白さも秘めています。

「ギャップ」も違和感を醸し出す良い材料

違和感にはもう一つあります。それはギャップです。

見た目も態度もとても上品でしなやかな方がバンジージャンプ大好きとか、長髪がトレードマークの男性が子どもの頃はずっと坊主頭だったとか。それまでに得た「見た目を含む情報」と噛み合わない違和感のある情報は、受け手にとって飲み込みづらい付加情報。聞き流せないからこそ記憶に残ります。

お料理のスパイスのようにこのギャップをうまく使えると、相手への印象レベルが上がります。

対話のきっかけになる自己紹介の要素3〜未来感

最後に未来感。

自己紹介は、今この瞬間以降の時間にお付き合いをする人を目の前にしています。自分がどんなおつきあいがしたいかは大事です。同時に、相手にどんなおつきあいをしたいと思ってもらいたいか、互いの未来像を描きながらやりとりすることはさらに重要です。

「相手がどんな人だかわからないのに、どんなおつきあいができるかなんてわかるはずがない」と思われるかもしれません。おっしゃる通りで、一方的な自己紹介ではダメというのはそういうことです。相手がどんな人でどんなことに興味のある人なのかがわかれば、おつきあいの未来が描けるはず。

ここは勝手な妄想力をフル稼働しちゃいましょう。一緒にできたら楽しそう、嬉しいかも、こんなことがお役に立てそう、自分のしたいことが一歩近づくかも……など。それが描けたら自分のどんなことを強調して話したらいいか的が絞れてきますね。

短期決戦の「自己紹介」の場をコントロールしよう

まずは率先して自己紹介で胸襟を開いて信用の土台を作りましょう。次に場を少しだけリードするつもりで相手の情報収集を試みましょう。

外見、態度、持ち物、話し方…自然な態度でYESかNOでこたえられるような質問を投げかけ、話す内容から共通点を探します。相手の応答や自己紹介に自分との共通点が見つかれば共感を伝えて話をゆっくりと広げ、違和感を自覚したら率直に感想を伝えたり質問をしながら聞き役になって相手を知っていきます。

ここからが本番。相手に共感や違和感を抱いてもらえるよう自己紹介の内容を重ねます。これから始まるお付き合いの未来感…この人とはこんなお付き合いができそうだと互いに期待感を持てたら、さらにそのイメージが互いに近ければ近いほど自己紹介は大成功です。

「今のままの私」で大丈夫。新しい自己紹介で記憶に残るあなたに

さいごに。そつのない無難な自己紹介では「私」とおつきあいする流れはできません。

自己紹介した相手から、また会いたい、話したいと思ってもらうために自分は相手にどんな存在と認識してもらいたいか。相手のことではあるものの相手だけが決めることではなく、自分がコントロールできるものであることを記憶にとどめておいてほしいと思います。

何も特別な自分になる必要はありません。今のままの「私」のユニークさ、ユニキャリアがそれを可能にすると信じています。皆さんの自己紹介が3つの要素を駆使して有益な機会になりますように。

なお、2回にわたりお伝えしてきた自己紹介の秘訣。「作成編」と「表現編」の2回に分けてワークショップを開催することにしました。来月第1回目を実施予定です。ご興味のある方は、こちらのページにて詳細をご覧ください。

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