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【映画からの考察】マイレージ、マイライフ

09年度のアカデミー賞で5部門にノミネートされたジョージ・クルーニー主演の映画「マイレージ、マイライフ」をご存じですか。すでに12年前の作品ですが、ユニキャリアの事業について相談に乗ってくれた方が「もし観ていないなら観るべき」と薦めてくれました。

マイレージ、マイライフ

【あらすじ】
年間322日も出張するライアン・ビンガムの仕事は企業のリストラ対象者に解雇を通告すること、つまりプロの“リストラ宣告人”。「バックパックに入らない人生の荷物は背負わない」をモットーとする彼は、夢の1000万マイル達成をすぐ目前にし、しがらみから自由な生き方を楽しんでいた。 そんなライアンに二つの出会いが訪れる。一人目は彼と同じく出張族のアレックス。気軽な大人の関係とお互い割り切って情事が始まる。もうひとつの出会いは新入社員のナタリー。ネット上で解雇通告を行い、出張を廃止するという合理化案を会社に提出しており、ライアンの立場と1000万マイルの達成を危うくする存在だった。 異なる年代の二人の女性との出会いをきっかけに…。

人生が一方的な「宣告」により変化せざるを得ない瞬間

リストラ宣告人という職業、日本にあるんでしょうか。ちょっと検索してみましたが、労働基準法に支えられた日本の雇用環境には適さないのか、幾つも出てくるようなことはありませんでした。逆に、退職を企業側に言い出せない社員側による「退職代行」というのが出てきました。こちらは3、4年前にニュースになったのでご存知の方も多いのではないでしょうか。ちなみに先に宣言しておきますが、私はリストラに対して言い悪いの判断を持ってこの映画を観ていませんし、ここでそれを述べるものでもありません。人生が、ある意味一方的な「宣告」によって変化せざるを得ないとき、当事者はどう反応するのか、そこからどう人生を分岐させていくのかに興味を持って観たからです。

企業側の事業閉鎖等による都合、従業員側の能力等の問題で”リストラ宣告”されるシーンは、見ていて辛いものがあります。誰もが「突然」宣告されるので戸惑います。怒る、ぼやく、悲嘆にくれる、絶望する。

縁起でもないですが、自分がそんなことに直面したら…どんな反応をするでしょうか。

リストラ宣告をしたあとに

結婚願望はなく、家庭を持とうとも思わず、そこに価値も見出さず、人とのしがらみを避けて生きる主人公であるライアン(ジョージ・クルーニー)のライフスタイルは、飛行機で飛び回り、移動して仕事をすることで成り立っています。「空港と飛行機が私の家だ」と言って憚らず、マイルを貯めることがなによりの楽しみ。そんな彼がリストラ宣告をした後の対応に見入ります。

茫然自失のなかで「子どもにどう伝える?」と言う従業員が、ライアンに子どもたちの写真を見せて続けます。

「家のローンが払えなくて小さな家に越すことになる。病気の娘の治療費が必要だ。なによりも子どもからの尊敬も失う」

ライアンは、応えます。

「スポーツ選手が子どもに好かれるのは、モテるからじゃない。夢を追っているからだ」

そして、その従業員が現在の職業に就く前に持っていた夢を思い出させ

「君は今がチャンスだ。生まれ変われる」と背中を押します。

自分自身の軸で要・不要を徹底的に選択して生きている

ライアンは必要以上のものを持たず、常に移動できるように身軽でいることを、人生において何よりも大切にしています。「バックパックに入らない荷物は一切背負わない」という生き方は一見クールながら、ビジネスで出会う相手の人生の選択の方向を共に考え、提案する姿には憧憬の念を抱きました。そして、自分自身が大事にしている軸に沿って、要・不要を徹底的に選択して生きているからこそ、相手の人生に必要な情報や方向を示してあげられるのではないかと、その才と愛情と行動に魅了されました。

解雇面接のフローチャートを作成し、「これがあれば誰でもフローに従えば解雇通告ができる。」と言う新入社員のナタリーに、ライアンが「我々の仕事とは?」と本質を問います。「失業者に心の準備をさせ、訴訟を避ける」と答えた彼女への回答に、知人が私にこの映画を薦めた答えがありました。ライアンは温かな瞳で言いました。

我々の仕事は

苦痛を和らげる役目であること

淡い希望が見えるところまで、傷ついた魂を船で運ぶこと

そこで船を止め泳がせること

人生の分岐をともに考えてくれる相手との対話があれば

実は、私は解任通告を受けたことがあります。他社の代理人ではありませんでしたが、日頃やりとりのない役員が突然やってきて、告げられました。歩いている道が「突然」行き止まりになる訳なので、急いで路を探し変更する必要があります。とはいえ急なことに気持ちがついていかず、何からどう考えて行動したらいいのかを考える時間が必要でした。今思えば、こんなふうに人生の分岐をともに考えてくれる相手との対話があれば、その後の紆余曲折はショートカットできたかもしれません。

そんな話は改めてお伝えするとしますが、そんなこんなで現在の自分が在ります。自分の意思であっても、またこんなふうに向き合う人生の岐路であっても、悲嘆にくれることなく、無駄に元気に励ますのでも解決策を提示するのでもなく、ともに希望を見出す機会をつくりたい。

それがユニキャリアで果たしたい思いです。

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