自己表現が苦手なあなたへの提案〜年間300人と話す中で見つけた対処法
自己表現が苦手なわけとその対処法
ユニキャリアでは、キャリアコンサルティングの一環として、プロフィールの作成講座を展開しています。
例えば、こんな動機で参加される方がいらっしゃいます。
・改めて書こうとしたら、何を書いたらいいのかわからない
・書いたものを見て、自分がアピールできているとは思えない
・何をしている人なのか伝わらないと言われた
ここでは、プロフィールの作成について、1年で300人以上の方々とやりとりしてきた中で感じたことをお伝えしたいと思います。
自己表現が「難しいもの」になる理由
まず、なぜこういった動機の状態になるのかということについてです。端的に言えば、自己表現することに慣れていない、そのコツなどを知らないからと言えます。
1.「相手を思いやる」「人のためにする」の精神で、自分のことは後回しにしがち
私たちは学校や職場で、「自分が」「私が」というのを抑えて、「あなた様」「お客様」を敬い、相手を立てて関わるコミュニケーションをすることがよしとされてきたと思います。
今でこそ、先生や上司とフランクに話をしたり、違う意見を言うこともありというのが一般的になりつつありますが、かつては「先生や上司は絶対!」「意見を言ったら飛ばされる」と表立って意見することは少なく、言うのは裏で、みたいな組織が多かったのではないでしょうか。もちろん今でもそういう組織はあります。ある企業では、上司に説明することを「ご進講※」と言うそうです。上司との極端な距離感が伺える例です。(※注 ご進講とは天皇や貴人の前で学問の講義をすること)
さて、これがプロフィールとどんな関係があるかというと、こういう縦が強い社会においては、「相手を理解する」「相手に合わせる」反応に磨きがかかり、「自分を理解してもらう」というプレゼン力や、ある意味でのリーダーシップが備わりにくいとのではないかというのが私の見立てです。
もちろんマネジメントを経験してきた人には、自分の意見をしっかりと持ち、その考えで人を率いてきたという自負がある方もいるでしょう。しかし、日本では上からの強いリーダーシップで物事を成すよりも、現場を大事にしてくれるという名目でのボトムアップが支持されやすい面もあり、強引と言えるほどの強力な自己を発揮するリーダーは、創業社長にこそ多く見られても、人の数として決して多いとは思えません。
要するに、リーダーという立場ですらも、かなり相手を慮ってことを成すことがよしとされていると思っています。
誤解して欲しくないのは、これがいい悪いというのではありません。こういう環境にいることで、「相手を思いやる」「人のためにする」、ひいては日本が誇る「おもてなし力」が育まれる一方、「自分を思いやる」「自分のためにする」ことが後回しとなっているのではないか、という考えを言っています。
自己表現をしようとしたときに、「想いがまとまらない」「言語化できない」という要因を、私はこういった観点で捉えてみましたが、いかがでしょうか。
2.失敗したくないという思考の癖
もうひとつの見方として、設問がない場合やガイドラインがないと書きづらいと考える傾向があります。
YES/NOで応えられる設問や、条件反射的に事実を記入するような項目には問題ありませんが、自分の特長や自己PRとなると、骨子を考えて記入する必要があります。どういうのが「ハマる」か「当たり」かの成功率から考えてしまう思考の癖が先に出て、自分の何を表現したくて何を書くかを決め切れないのです。
マーケティング的な観点から言えば素晴らしい視点なのですが、それよりも少し多めに「自分のこと」を語るプロフィールであり自己表現の機会ではネックになりかねません。
自己表現を上手にできるようになる!オススメの対処法
では、どうしたらいいか。
自分を他人事にして「自分を思いやろう」ということを提案します。これを読んでくださっている方の大半は、「相手がどう思うか」、「それならこういう出方にしよう」と考えがちないい人たちだと思います笑
だから「自分を離れる」、つまり「他人事にする」のです。
最初は難しいかもしれませんが、自分の写真でも見ながら「この人(自分)の良さや特長は…」と口に出して言ってみるのです。人に紹介するならどう紹介しようか(実際はどう紹介してほしいか)と考えて、音声にして話してみるのです。まずは誰も聞いてないところで、是非自信を持ってやってみてください。
それでも「恥ずかしい、そんなのムリ」という方には、最初にこんな魔法の言葉をつけてみることをおススメします。
「僭越ですがこの人(私)はこういうことを得意としています」
「言っちゃあなんですが…こういう経験は貴重なことなんです」
言い慣れてきたら、ぜひあなたのユニークさが反映された自己表現を聞かせてくだい。
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