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「ワーク・アズ・ライフ」を実践する人生の主人公に

流行語ににじみでる「働く環境」の変化

企業戦士という言葉に覚えがありますか。

企業戦士とは日本において企業の利益のために粉骨砕身で働くサラリーマンを意味する。がむしゃらに働く仕事第一の社員をからかってこう呼ぶこともある。自らの身も家庭や家族をも顧みず会社や上司の命令のままに働く姿を戦場での兵隊に例えたものである。戦後の日本の経済成長を支える存在であると企業や社会から重宝され、高度経済成長以降「日本株式会社」の主な担い手となった。Wikipedia

この言葉が聞かれたのは、昭和から平成に移り変わった1989年。当時テレビCMで流れていた「24時間戦えますか」というフレーズは流行語大賞にランクインしました。

今ならあっという間に炎上してしまいそうですが、当時は「仕事しているのはカッコいい」「残業するほど忙しい仕事をしているのは仕事ができるってこと」という見方もあって、好意的な受け取りをされていたのではないでしょうか。

FIRE(Financial Independence, Retire Early」の略で経済的自由と早期退職を意味する言葉)を目指す、と公言する人も少なくない昨今においては、「え?まだ仕事してるの?」「仕事以外することないの?」という反応があってもおかしくないように思います。(どちらも個人的な見解ですが)

平均賃金が全く上振れない30数年ですが、働く環境はこれほどまでに変わるものです。

仕事はあくまで人生の一部であり、その人だけのもの

「ワーク・ライフ・バランス」から「ワーク・アズ・ライフ」へ

一方で取り上げたいのが、「ワーク・ライフ・バランス」という言葉です。この言葉が一般的に使われるようになって久しいですが、正直なところ当初から違和感がありました。「仕事と生活のバランスをとる」と理解したとき、生活の中には様々な要素があるにも関わらず、どうして仕事だけ取り出してバランスをとるのだろうかということ。さらに「仕事」という言葉が当時含んでいた最強の免罪符のような機能についてでした。

「ごめん。その日は仕事で行けない」なら軽く許されて、「ごめん。家のご飯当番で行けない」などプライベートを理由にすると、驚かれたり怒られたり、時には嘲笑されたり。「仕事だから」とやむなく言い訳をしたこと…誰しも少なからず経験があるのではないでしょうか。

最近この考えを更新するような「ワーク・アズ・ライフ」という概念が出ています。提唱されているのはメディアアーティストで筑波大学教授、研究者の落合陽一さん。文字どおり仕事を生活や趣味の一部と考えるということで、仕事とそれ以外とか、仕事とプライベートといった分け方をしない働き方のことです。

「仕事ばっかりしてないでプライベートも充実させないと」と二項対立のように語られることも減るのではないかという期待も含め、これまでの違和感がスッと晴れたように腹落ちしました。

仕事も人生も、自分のもの

戦後の日本を支えた企業戦士たちは、バブル崩壊後、企業倒産や個人的にリストラに遭うなどして転職を余儀なくされる人も出ました。さらにその後、ジワジワながら自分に合う仕事、フィットする環境を求めて転職したり起業する人も増えてきています。

長時間労働やマネジメントの在り方によって心身に支障をきたすケースも社会問題化し、「ワーク・ライフ・バランス」は個人の問題でありながら企業にとっても「ワーク・ライフ・バランス」させることに注力することになったという背景があります。

しかし「ワーク・アズ・ライフ」という観点に立ったなら、会社がバランスさせるとか個人のライフに介入する在り方はもう見直されていいのではないかと思うのです。

どんなライフ(人生)を送るのかは個々人のもの。逆に言えば相手のもの。
自分のライフを尊重するように、相手の人生も尊重する
どんな生き方をするかの中に、どんな働き方をするかがある。

 

どんな仕事をしたいかではなく、「こんな人生を歩みたいからこの仕事を選択する」「どこに住む」「誰と働く」「どれだけの稼ぎを目指す」。さらに自分のしたいこと、楽しみ、付き合いはどうするか。こうやって自分の人生全体を充実させていくことが、つまり「人生を自分でドライブする」ということなのではないかと思います。

ワーク・アズ・ライフの実践者としての「百姓」

私たちのルーツに、そんな働き方があります。

先日メルマガでも紹介したのですが、日本では昔から百姓という複数の仕事をして生活をしてきた存在があります(ありました)。季節にあわせて田畑を耕し、モノをつくって暮らすというのは仕事と生活を分けない「ワーク・アズ・ライフ」そのもの。生活の中に仕事を入れ、家業や地域のまつりごとなどともバランスをとって生きてきたんじゃないかと推察します。

現代の百姓の方々も相当に「ワーク・アズ・ライフ」を実践されています。昨年秋に公開された【百姓の百の声】という映画の紹介文の中にそんなことも書いていますので、是非リンク先もご一読ください。

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