変化を厭わない、しなやかなミドルシニアへ
知人が興味深い記事を書きました。
「52%の先生が副業・兼業」はどうやって実現? 子どもたちが受ける影響は?
東京・中野区にある新渡戸文化学園。小中高の学校、アフタースクールに勤務のほぼ半数の先生がたの副業・兼業はどう実現したのか、その背景などについて理事長に迫っています。
まず自らが変わること〜人が成長する原点
詳細は記事を読んでいただくこととして、単純にすごくいいな、と思いました。もちろん実際に見聞きしてきたわけではありませんし、記事は理事長へのインタビューで構成されているので現場の先生や子どもたちの真意は伺えません。それでもいいことだな、と。
記事では理事長のリーダーシップによって管理職から現場の先生へ取り組みの意義が浸透され、展開している様子が伺えて素晴らしいです。その時間をつくるために管理職や先生がたが「やるものだと思っている(思っていた)」という思い込みを解き放っていくプロセスに学校全体の進化を感じます。
理事長は言います。
「副業・兼業している人だけが偉いというわけではなく、先生というひとつの職業で頑張っている人も同じく素晴らしいです。」
「他で得た知見を生徒たちにも還元してほしいという考えで副業・兼業を推奨しています。」
全く同感です。副業・兼業はある意味で方法でしかありません。さらに子どもの個性を大事にするように先生の個性を大事にすること、子どもの自律性を育むように先生がたの自律性も尊重したいと言っています。
自主性、自律性のない先生に、これらを育む力があると思えません。
家庭でも職場でも同じことが言えます。人に「させる」前に、ともに自身が変化すること、そして関わりから変化を起こしていくこと。大人も子どもも関係なく、人が進化・成長する原点を記事から気づかせていただいたように思います。
ミドルシニアの心身を活性化させるのは
さて、改めて日常を振り返ってみましょう。生活は家と職場の行き来がほとんどというミドルシニアが少なくないようです。コロナ禍で激減したと思われる仕事帰りの同僚との飲み会なども、言ってみれば職場圏。昨今は家以外で出歩くのはコンビニやスーパーくらい、という方も。いずれにしても付き合うのは家族、職場や取引先の人、近所で挨拶する程度の顔見知りと盆暮れ程度に会う学生時代の友人などという話を耳にします。
「場」を求めて従来の生活圏の外へ
そんなこともあってミドルシニアには副業や兼業を推奨する立場です。懐を温かくするという面もあるとは思いますが、今回はそこに触れません。副業や兼業がミドルシニアの日々に刺激と変化をもたらす効果を好意的に捉えてのことです。
副業や兼業は、従来の生活圏にない「場」を持つことに繋がります。仕事内容や仕事のしかた、仕事に従事する場所や人間関係などが日常への刺激となって生活全体を揺り動かし、これまでの生活や仕事、価値観を再考することになります。
イヤだ、めんどうくさい。そんな声も聞こえてきそうですが笑。
ミドルシニアの心身の健康のためには、毎日のルーティンに適度な(人によって程度に差あり)刺激が必要です。適度な刺激は心身への活性作用につながります。
さらにストレス対処については人に相談する、モノの見方や考え方を変えるのがいいとされますが、これも従来の枠組み、人間関係だけで対応するのは易しくありません。昨今のホットワードでもある「ウェルビーイング(身体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態にあること)」という観点でも一つの方法として推したいです。
もっともっと成長できる
改めてここまで言うのはなぜか。
それは自身を進化、成長させることに繋がるからです。長く同じ環境にいれば、価値観や考え方などを変える必要はなく、年長者だったり役職により周囲を押さえ込めている人もいるでしょう。仕事のやり方、コトをスムーズに進めるための人間関係のコツなども手慣れたもので、「刺激が欲しい」と言いながら変化することを厭う人が多いことも知っています。
「刺激が欲しい」なら、自分の身を置く「もう一つの場」を持つことから始めるのがいいというのが提案です。
バサッと身の置き場を変えてしまう転職や移住は刺激的ですが、いきなりそれはリスキーですよね。今の仕事や人間関係を違った目で認識でき、日常を改めて再評価できる、これまでの生活に「もう一つの場」から始めるのが適当です。
変化に適応できるしなやかさを
変化する社会の中で、またこれから現役70歳を実現していくためには環境に適応する力を衰えさせてはならないのです。
たいていの方は物理的に、待遇的に今の環境で70歳まで仕事をしていくことないでしょう。新しい職場へ移ったり、与えられた新しい環境で生きていくことになるときのための準備にもこれらは役立つはずです。「これまでの方法」に固執しすぎず、別の手や別ルートをもっていたほうが生きやすくなるように思うのですが、いかがでしょうか。
さて、ここまで読んでいただいた皆さま。
人生の後半戦を自分の手で操縦していくときに必要な力、知恵、仲間は足りていますか。
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