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【ニュースを見る】金融庁の人材紹介事業〜「社長の右腕」を地方に紹介

今週の日経新聞の記事にあった【「社長の右腕」 地方に紹介 金融庁、中小に低コストで 大企業の管理職や専門人材】という記事、どうご覧になりましたか?

金融庁は今秋からメガバンクなど大企業で働く管理職や専門人材を地方の中小企業に紹介する事業を本格的に始める。転職や出向の希望者を専用システムに登録してもらい、地方企業へのマッチングを担う地域金融機関が検索できる体制を整えた。豊富な経験を持ち、社長の右腕になる人材を中小企業に紹介し、事業改革を後押しする。(10/19 日経新聞朝刊より抜粋)

企業の大小を問わず、企業がよりよい経営人材を望むのは、いつの時代も変わりません。私の周囲で「誰かいない?」というのもよく聞かれます。

本件は、金融庁が集計したアンケートの回答に、1/3程度がメインバンク等から紹介されたいと寄せられていたことも背景にあるとのこと。ちなみに社内の役員や従業員からというのが45%、社外の知人からが44%です。本来は身内の紹介が望ましいが、銀行などの紹介もありがたいというところでしょうか。民間の人材紹介会社が16%というのは驚くほど低い数字で、現場の実態をよくよく知りたくなっています。

今回、私が気になったのは以下の3点です。

1.低コストで大企業の管理職や専門人材という表現

たしかにコストは大事、それに見合うパフォーマンス、つまりコスパが大事なのはいうまでもありません。しかし、叩き売りじゃあるまいし、人材の紹介にあたって低コストが前面に出てるのはどうなんでしょう。ましてや「社長の右腕」です。

コストから質を覗うように見えて違和感が残ります。「こんな経営人材の参画を求めている」という企業の要望に対して、「応えられる」のはこのコストで、という提案をもとに経営判断をする流れを望みます。

2.”大企業の能力の高い人材を中小企業で活かす”という上から目線感

いい大学を卒業して、厳しい就職戦線を勝ち抜いて大企業に入社した人たちは、確かに優秀だと思います。ただ、大企業の選択基準においての「優秀」であり、「できる」人たち。オフィス環境、仕事の中身や規定などの整備具合が違う上に、仕事の仕方や社内外の人間関係、給与や福利厚生などは、大企業と中小企業のそれらに大差があるのが一般的です。

これまで私が身近で見てきた肌感覚からすると、そんなに易しいことではないという感覚です。大企業に在籍する中で吸収し、発揮してきた優秀さや豊富な経験ではないことで、中小企業の中に入り込んで役立っている事例の方が身近なほどです。大企業には大企業で求める優秀さがあり、中小企業には中小企業で求める優秀さがあります。それらを超越して、互いの知識や経験を掛け合わせて事業改革が行われていくことを望みます。

3.機会を人任せにする人に仕事ができる人は少ない

今回のマッチング企画は、大企業における”社員のセカンドキャリアの確保という課題解決”の一つでもあるようです。

メガバンクの場合、役員にならなければ52歳前後でグループや取引先企業に転じるのが通例だが、「取引先への出向・転職の枠は徐々に細ってきている」(メガバンク幹部)という。(同様に10/19 日経新聞朝刊より抜粋)

金融庁が取り組むことからメガバンクの場合という事例が挙げられていますが、お上の温情のように見えます。

中小企業に50代の従業員がいたとして、こんな恩恵を与れることはないでしょう。中小企業を渡り歩いてきた私から言えば、「機会は自分でつくり、切り開いていかなければ道はなく、立つ場も居場所も得られない」のです。その受動的な態勢が、まずは中小企業側にとって最初で最大の違和感になります。こういった機会を「うまく利用」して、ご自身のセカンドキャリアの開拓に、自ら機会を創り出す人が増えていくことを望みます。

大企業と中小企業。どうも上から下のような”流れ”を感じてしまいます。どう思われますか?

ユニキャリアでは、地方企業での副業、移住や転職などについても相談を受けています。ご希望があれば、どうぞinfoよりお気軽にお問い合わせください。

 

 

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