【ユニキャリアなひと】ヤギに引き寄せられた第二の人生
ユニキャリアが運営する「未来航路塾」の月1 回の交流会では、年に数回ゲストを招いてライフストーリーや仕事のキャリア、その他の活動についてお話を伺っています。当日参加されなかった方にも共有したいと思い、ブログでご紹介します。
ユニキャリアを生きるひと〜むつざわヤギ牧場 親方 川和さん
ヤギに出会うまで
今回は都内の家業から転換し千葉県でヤギ牧場の経営を始められた 50 代の川和秀夫さんをお迎えしました。
川和さんは都内下町の3 代目の牛乳販売店の社長として30 歳で7 億円の売り上げまで事業を発展されたものの親戚の牛乳販売店も引き受けた事業の経営は相当ハードで、40 代には心身に不調をきたしました。
40 代は大病との闘い。心臓が20 分停止した後の半身麻痺。しかし息子さんの甲子園出場、お嬢さんのバレーボールを観戦に行くという強い一心でリハビリに励んで奇跡的に克服。現在は後遺症もなく日焼けした満面の笑みで、そんな過去を一切感じさせることはありません。
そんな川和さん。
心臓が一度止まったのは命のリセットボタンを押されたようなもの、人生を切り替えたいと強く思ったことから第二の人生が始まります。
- これまで自分勝手で好き放題してきた。
- 承継というレールに乗った人生だった。
- 一度は止まった命、これまでの人生を変えたい。
- 後悔したくない。
- やりたいことをやろう。
当時は子育てもひと段落した50 代。
何かやりたい、自分で考えて動ける何かに挑戦したいと考え、変化する社会の空気を感じながらザワザワする気持ちをコンパスに、本を読んだりセミナーに出かけたりイベントや視察ツアーに出かけたそうです。
これまでが流通事業だったことから、挑戦する分野として一次産業に的を絞りスウェーデンの農業の実態なども視察したとのこと。そして、行き着いたのが「ヤギ」でした。
昭和の頃は牛などと違って雑草を食べるヤギが農家で労働力として、ペットとして農家を中心に飼われていたといいます。実際、私が子どもの頃、母の実家ではヤギや鶏を飼っていたのでその風景を思い出すのは容易です。
70~80 年前には母乳の出ない親の代わりにその乳(ミルク)を乳児に与えていたとも言われ風土との親和性ある歴史も垣間見えます。
ヤギと出会い、ミラクル連発!むつざわヤギ牧場のいま
「ヤギ」が気になり始めた川和さんに「引き寄せ」ともいえるミラクルが続きます。
・「ヤギ牧場の経営を引き継いでいる人を探している」という人との出会い。
・崖の上のポニョ事件。
記憶にある方もあるでしょう。
2020 年、千葉県の佐倉市内で飼われていた子ヤギが柵を越えて逃げ出し線路沿いのコンクリート斜面に3 か月「滞在」した事件。これをきっかけに人々のヤギへの関心が高まります。千葉県ではヤギを農業の労働力として、またペットとして買っている家も多く「千葉県・ヤギ」に特に注目が集まったようです。
ちなみにこの子ヤギの救出に一役買ったのも川和さん。
以下の記事にある「むつざわヤギ牧場」は川和さんが経営されている牧場です。
https://tripeditor.com/411034 より
・牧場で生まれた子ヤギを、何の気なしにTikTok にUP してみたらあっという間に数十万万再生、いわゆるバズりを経験。
・コロナ禍では屋外で密にならないヤギ牧場に癒しを求める人が断続的に訪れる牧場に。
・最近では「子ヤギを抱っこして寝かしたら入場無料」サービスを開始。赤ちゃんロスのママたちが何とも穏やかな表情で体験する姿もTikTok で話題です。
https://www.tiktok.com/@yagipapa2151
・親子でヤギに会いに来た人の口コミで来場者がどんどん増え、とうとうヤギと寝たいという声に応えて牧場内でのキャンプサービスも開始。
・最近では噂を聞き付けた横浜市の小学校からレンタルヤギのご要望があって対応。こちらも即座にテレビで紹介されて話題になっています。
好きなことをしていると、人とチャンスがやってくる
川和さんによると崖に立てばたつほど引き寄せ力は高まるのだそうです。
そして好きなことをしていると人とチャンスが向こうからやってくると断言されます。
探し求めて行き着いたヤギ。
周囲が「うまくいくわけがない」「儲からない」と口々に反対したものの今はいい流れが来ているとニヤニヤ。
それは余生を楽しんでいるお顔ではなく正真正銘の時代を読んだ経営者そのもの。
AI やICT 化が進む社会で敢えて逆張りのアナログに賭けて勝算を見ている裏には、地域やご先祖をも大切にする川和さんの姿がありました。
むつざわヤギ牧場HPより
「それは儲かるか?」の前に「何をしたいか」があってもいい
人生の後半戦、セカンドキャリア、転職のその先、定年後 。どうしても「それは儲かるか、儲からないか」から考えがちです。
何をしたいかを考えた次に、少しだけ追っかけるような形で「ビジネスになるかならないか」、「自分はどれだけの事業規模(収入額)を目指すのか」捉えて進むのが、その人にとってのやりがいや生き甲斐に繋がるのではないかと改めて感じました。
そんな川和さんが経営される「むつざわヤギ牧場」の日常はこちらのブログでご覧いただけます。
来春にはユニキャリアのイベントとして「むつざわヤギ牧場」訪問を企画したいと思います。
ヤギと触れ合いながら川和さんご本人ともお話しできる機会、是非ご一緒しましょう。
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