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自分の価値観に従い、幸せを選ぶ

自分の価値観を明快に言語化することはできますか。

人には言語化の有無を問わず「価値観」「観念」があります。

「何にどんな価値を見い出すのか」という感じ方や意識、考え方。善悪、好き嫌い、美しいかどうか、嬉しいかどうかなど物事を受け止め評価する際の判断基準ともいえます。

何を重視するのか、しないのかは人それぞれ。人だけでなく、モノやお金、情報との付き合いにおける優先順位にも反映されます。

限りある命、つまり今世での時間を何にどう費やすか…。自覚の有無に関わらず価値観によって瞬時瞬時に判断が下されている結果でもあります。価値観とは「どう生きるか」につながる「その人の生き方そのもの」をドライブするものです。

「仕事観」を形成してきた言葉たち

私の価値観の中でも「働き観」さらに「マネジメント観」は、株式会社スコラ・コンサルトの創業者でもある柴田昌治さんとの出会いによって更新されています。下記の「ビジネス教育の会社」に入社し、その後グループ会社であるスコラ・コンサルトに転籍した数年間、柴田さんとご一緒しました。

【柴田昌治さん経歴】
1979年、東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。ドイツ留学後、大学院在学中にドイツ語学院ハイデルベルクを創設。元NHKテレビドイツ語番組の講師。
ビジネス教育の会社の設立を経て、1986年に日本企業の風土・体質改革を専門に行なうスコラ・コンサルトを設立。30有余年にわたる改革の現場経験の中から、タテマエ優先の“調整文化”を象徴する〈閉じる場〉が培養する、社員の思考と行動の縛りを〈拓く場〉を経験することで緩和し、変化・成長する人の創造性によって揺らぎながら組織を進化させる方法論〈プロセスデザイン〉を結実させてきた。
新しい価値を生み出すために、簡単には答えが見つからない問いと向き合い、深い議論を継続的に積み重ねていく対話の場である〈拓く場〉を日本企業の中に増やし、経営自らも実践することができれば、全社改革は急速に進展することを実証している。
著書: 『なぜ会社は変われないのか』『トヨタ式最強の経営(共著)』『なぜ社員はやる気をなくしているのか』『どうやって社員が会社を変えたのか(共著)』『なぜ、それでも会社は変われないのか』(いずれも日本経済新聞出版)、『成果を出す会社はどう考えどう動くのか』(日経BP社)、『日本企業の組織風土改革』(PHPビジネス新書)、『日本的「勤勉」のワナ』(朝日新書)など多数

もう25年近く前のことです。それでも何気ない言葉が脳裏に残っているのは、私の中に根付いているからとも言えます。いくつかご紹介したいと思います。

「社長って呼ぶのはあなただけだよ」

今でこそ「さん付け」は一般的になっていますが、当時はそうではありませんでした。役職がある人のことは役職で呼ぶものだと(無意識に)思っていたので、自分だけがその呼称を使用していたことにさえ気づいておらず、指摘されてとても驚いたことを覚えています。

柴田さんは当時からいちプレイヤーのスタンスで、役割である”プロセスデザイナー”を標榜されていました。社長として、営業も企画もコンサルティングもするという方々を多く見てきましたが、柴田さんはそれまでに出会ったことのない姿勢を持っていました。

その後、役職呼称の企業に転職して自らが「役職」で呼ばれ続けることで良くも悪くも意識が変化することを体感しました。組織の無意味な階層や管理に異を立て(意味のあるものもありますが)、社内外の人たちとフラットにかかわる姿勢の一環として、私も「さん付け」を熱心に推進したものです。

性善説を前提にしていると言われるが、どちらでもない

風土改革の仕事をしていると、お客様から「そんなふうに人をとことん信じられるものではない」「人は変わると信じる性善説に立ってるんですね」とよく言われたものです。そんな時、柴田さんはこう答えていました。

「性善説でも性悪説でもない。人は弱く、どちらにも変化する」

当時、世の中はいい人ばかりだと思えば”いい人”に囲まれるものだと楽観的に捉えていましたが、人間観の一つが変化した瞬間でもありました。

一生懸命に聴いて、一緒に考える

それまでは強いリーダーが事業を推進するものだと思っていました。方針や戦略が正しければ、それをやり切れる人が揃えばいいというものです。

一方でサービス業での現場プロを掲げていた当時。「言ってできる人、できない人」は明確で、素養や育ち、センスの問題とさえ思っていました。

しかし、意識や行動は環境に大きな影響を受けるということを目の当たりにし、「あるべき論」や「モデル」を振りかざした(目指した)改革は、笛吹けど誰も踊らず、仏作って魂入れずだと痛感したのです。

なぜそうなっているのか、なぜそう考えるのか。

企業を構成する経営者から従業員の方の声を一生懸命に聴き、「ありたい方向」へ一緒に考えて一緒に進む。それ以外で組織が変化することはないのだ、というのは私の中の確信となりました。

考える力が必要だ

そんな柴田さんの近著がこちら。

社会的な問題になっている日本の労働生産性が伸びない理由を、職務に忠実な勤勉さに原因を見出し、努力の方向性が間違っていると冒頭で述べています。さらに高度経済成長期を牽引した日本が得意とする経済モデルが通用しないことをいい加減に認め、新しい価値創造をしていく新たなビジネスモデルが必要だと強調します。

その「創造性の発揮」のためには、これまでの勤勉性をアップデートすべきというのが本書のテーマですが、柴田さんがどの著書の中でも一貫して発信しているのは「考える力」をつけること。

社会や会社の中で面々と引き継がれる枠組みを「枠」とし、その中で考えることを思考停止した「枠内思考」として紹介しています。一方で今までの経験の中からでは見つけられない、著しく困難な課題に溢れる時代に、自分で考え、判断する力を「軸志向」として対照させています。

本書p.25よりちょっと図を拝借

自分軸に従い幸せを選んでいこう

私の仕事観は、本書で表現される「軸思考であること」を前提にしています。どんな仕事で、どんな立場で、どんな環境下であっても変わることはありません。

本書の最後に書かれています。

「人は幸せになるために生きている」

柴田さんが1年半留学したドイツで、それまでの価値観を揺さぶられて認識したものだと言います。そしてその後のすべての活動はここに繋がっていると。

無自覚なことを自覚し、自分を幸せにするものを取捨選択していくこと。人生後半戦だからこそ持ちうる知見で、ともによりよく生きていこうではありませんか。

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