高尾山登頂で実感した「プランド・ハップンスタンス」
キャリア形成の文脈に【プランド・ハップンスタンス】というのがあると以前のブログで書きました。
端的に言えば「キャリアは偶然の要素によって左右されるものが多く、偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる」という考え方。
目指すものを決めて、そこに向けて準備をしたり努力をしていくことで到達するキャリアアップとは違うアプローチだともいえます。先週末にプライベートで参加したイベントの顛末がまさにそのとおりだったので、振り返ったことをご紹介したいと思います。
高尾山登頂で実感した「プランド・ハップンスタンス」
結論から言うと「やりたいことリスト100」のうちの一つである『高尾山頂へいく』をクリアしました!
高尾山は都民の方にとっては小学生の遠足で行く身近な山だそうですが、名古屋出身者がその存在を知ったのは数年前です。
行楽の季節の映像や友人らが出かけた際の写真からは、本格的な登山とは違い散策のような雰囲気を感じます。自然の中を歩いて深呼吸を味わう楽しみ。自分もいつかしたいものだと、実は毎年リストに書いていました。
そんな話をしているとチャンスは来るものです。
「年始に高尾山に登って山頂で餅つきをするイベントはどうですか?」
参加表明をした後は、登山をする友人に持ち物や服装のアドバイスを求めたりしつつ、その日を楽しみに過ごしました。「ハイキング」にも拘らず、重装備を奨める彼女の話をありがたくも話6割で聞いて対応した私は、脚に不調を抱える友人が止む無くキャンセルをしたときも、大事をとったのだとろうと信じていました。
前日までの暖かな気候から天気が崩れて時折霧雨に遭いながら進む当日。ケーブルカーを使って移動した高尾山頂から景信山頂までの道は、私の認識していた「なだらかな山道を気軽に歩いて自然を楽しむ」という散策のようなものではなく、息切れと脹脛に思いっきり負荷をかけるような山道でした。
事前の案内には「ケーブルカーを使って高尾山頂からトレッキング(一番緩いハイキングです)」と書いてあったのですが、終わってみれば写真に添付されたコメントは、「高尾山トレッキング組(往復距離10-11km、累積標高差700-800m程度)」というもの。
そうです。私はハイキングと思って参加しましたが、実際には登山だったのです。
想定外の険しい山道を「ハイキングだと思ったのに…これは登山だ…話が違う…」とイベント主催者にブツブツ言いながら進んでいた私ですが、彼は「ハイキングもトレッキングも登山も主観の問題で話は違わないよ」というではありませんか。
どう思いますか?調べてみたら驚きの情報に繋がりました。
厳密な違いがない?登山とハイキングとトレッキング
実は厳密な違いはありません!
いきなりでびっくりされるかもしれませんが、実は「登山」「ハイキング」「トレッキング」の3つに厳密な定義や違いはありません。ですのである山歩きのルートがどれに該当するのかは主観によるところも大きいのです。
例えば、とある3人(Aさん、Bさん、Cさん)が高尾山に一緒に山歩きに行き、同じルートを歩いたとします。それぞれが翌日に下記のように話していたとしても、誰かが間違っているということは無いのです。
A「昨日、高尾山に登山に行った」
B「昨日、高尾山にトレッキングに行った」
C「昨日、高尾山にハイキングに行った」
そのうえで、一般的には「ハイキング⇒トレッキング⇒登山の順で歩行レベルが上がっていく」という感覚で捉えられる傾向があると記されています。
つまり誤解、というか感覚の違いで参加した(してしまった)イベントは、とんだハプニングとの遭遇だったわけです。
ですが、考えてみたらこうも考えられました。
1.このイベントがなければ高尾山頂へ行くことは先々になっていたかもしれない
⇒結果的には念願が叶ってよかった!
2.登山だと知っていたら参加を躊躇したかもしれない
⇒途中で離脱する選択もなく結果的には景信山頂へ到達した
3.友だちと2、3人で出かけていたらリタイアしていたかもしれない
⇒メンバーに遅れまいと頑張れて登頂、無事に下山できた
つまりこんな機会でもなければ、こんな経験はしなかった(できなかった)。しかし思いがけず(個人的には)登山レベルのハイキングができた(できる自分に出会えた)わけです。
これぞプランド・ハップンスタンスの実践。可能性を広げるきっかけに。
これを【プランド・ハップンスタンス】実践のための5つの行動指針に当てはめてみます。
1.好奇心
年始に餅つきなんて季節感に溢れているし山頂で餅つきだなんて面白そう!
2.持続性
歩き始めたら止まるわけにはいかず、戻ることもできず。結果的に歩み進んだ。
3.柔軟性
登山的ハイキングか…。怪我をしづらく、できるだけ体力使わない歩き方の教えに従って進むしかない!
4.楽観性
ここまで来たんだから進むしかない。自分の体力を知ってる人が「できる」と言ってくれたんだから何とかなるだろう!
5.冒険心
高尾山頂だけでなく景信山頂へも向かうことに。行ったことがないし、餅つきもいつぶりか思い出せないことだからやってみたい!
【プランド・ハップンスタンス】で大切なのは、偶然のできごとや出会いを成長の機会と捉えることといいます。思い描いていたことでなくても、それが誤解であっても(!)、向き合ったことによって次の扉が開くように思います。
「登山道って書いてあるじゃないですか…私は今、ハイキングじゃなくて登山をしてるんですよね」とブツブツ言っていた最中は”偶発性をポジティブに受け入れている”とは決して言えませんでしたが、結果は受け入れています。いや、そうでなければ当日の辛さが報われないから、という真意もありますが笑。
こうやって偶然の機会を積極的に増やすように行動することで、自身の可能性を拡張させていくことを大切にしたいと考えています。
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